モデル校

福井県坂井市鳴鹿小学校

平成19年8月 3日(金)

第2回目:エコ改修検討会レポート


丸岡南中見学


表現の舞台:多目的ホールでの講義


工藤先生

 先進校事例の見学もかねて、第2回目エコ改修検討会は、鳴鹿小学校の子供達が中学生になったら通う、丸岡南中学校で開催しました。
 今回の参加者は、55人(42団体)。見学者、報道関係者、坂井市、事務局をあわせると75人。

 講師には、丸岡南中学校を設計した、工藤和美氏(エコ改修検討会アドバイザー/東洋大学工学部建築学科教授/シーラカンスK&H株式会社代表)をお招きしました。

今回のメイン内容は、

1) 丸岡南中学校の見学
2) 講義「丸岡南中学校の設計・建築について〜自然環境と建築・室内環境・エコスクール等〜」
3) 講義「21世紀の学校を実現するために〜現在の学校建築について/学校改修について」
4) ワークショップ「鳴鹿小学校のエコ改修計画について」

でした。


1)丸岡南中学校の見学

 2班に分かれ、丸岡南中学校の大代教頭先生、前田先生の案内で、ゆっくりと見学しました。丸岡南中学校は、環境教育に配慮した設計が評価され、文教施設協会(東京)の「2007年度公立学校優良施設表彰」で最高賞の文部科学大臣奨励賞を受賞しています。これが中学校なの?と思わずつぶやいてしまうような空間でした。(丸岡南中学校ウェブサイトへ


2)講義「丸岡南中学校の設計・建築について〜自然環境と建築・室内環境・エコスクール等〜」

 設備は道具だけに頼るのではなく、自然体で子供達が生活していける場所を考えていく事が、エコ・エコ建築につながるのではないかという話を軸に、丸岡南中学校の設計についてや苦労話等、大変に興味深い話を伺うことができました。
 丸岡南中学校を設計した際のポイントは、

・ 田園地帯の広がり、敷地内に流れる用水路、集落のつながりの中にある学校とはどのような建物であるべきだろうか
・ 強い風から子供達を守るための様相→低層の建物へ
・ 光りと風を通す空間づくり
・ 教科センター方式による運営のための、面積の使い方
・ 日射しよけと雪よけ/適度な光りと適度な日陰→ルーバーで対策
・ 雪対策→外壁を少しづつずらしてリバウンドの光りをうまく使う

等、細やかな積み重ねが学校の見えない質を高めるということでした。
また、学校建築全体で言えることとして、

・ キレイであること、フォトジェニックである事の大切さ→キレイは元気を生み出す。(ex.白いきれいな廊下をつくれば、子供達は一生懸命に掃除をしてくれる、ますますきれいな学校が保たれていく)
・ 教室からはみだした空間を考えること
・ 教室と廊下をつなげること(照明を同じにする等)による、空間の広がり
・ 人が移動したり集合したりする数がまばらであるので、それぞれにあった空間作りをどう考慮するのか
・ 手をかければかけるほど、いい学校づくりができていく(1/50の模型をつくり、学校の先生や地域の方などにもわかりやすく説明し、共に考えていく)
と様々な観点から話してくださいました。


3)講義「21世紀の学校を実現するために〜現在の学校建築について/学校改修について」

 工藤先生が学校建築を設計する際に大切にしていることを、以前に手がけられた学校設計の事例を盛り込みながら講義をいただきました。

・ これから子供達がみつめていくであろう未来を少し先取りし、プレゼントしてあげられるように考えていくことがこれからの学校建築の課題であること
・ 最終目標「素敵な子供達の笑顔を見たいためにいい学校をつくること」を目指していること
・ 学校には生活がある、だから「家よりも快適な学校」を目指す事がスタンダードな考え方になっていること
・ 学校をつくるまでのプロセスを大事にし(地域の方々とコミュニケーションを図りながら何度もミーティングを重ねる、様々な検証や実験を怠らずに行っていく等)、それが醍醐味となるようなエコ改修になること
・ 子供達の目線・動線を大切に考えていくこと
・ ちょっとした工夫や素敵な家具、白い空間にきれいな差し色をつかう事で使いやすく子供達が大好きな快適な空間がつくれること


4) ワークショップ「鳴鹿小学校のエコ改修計画について」

 工藤先生より、鳴鹿小学校をエコ改修するにあたって、考えてもらいたい6つのテーマを提示していただき、各班で1つのテーマについて話し合い、発表しました。

A班「光りの入れ方・風のぬけ方」
→北陸のやさしさを中庭・ベランダ・照明等でつくれないか

B班「音と距離と高さ・低さ、五感について」
→改修なのであまり天井を高くできないならば、今までの天井高を有効利用してクワイエットルームをつくるなど落ち着ける場所をつくれないか

C班「キレイは元気/鳴鹿小学校にキレイな場所をつくれるチャンスを見つける」
→昇降口(昇降口を入ると廊下をはさんだ向かい側に一般教室を改造した図書室を設けているが、図書室の廊下側の壁や戸を取り払い、反対方の外/グランドが昇降口から透けてみえる空間の使い方)とトイレ、ベランダ

D班「外で過ごす空間について考える」
→ベランダの有効利用、校舎とグランドの中間地、ビオトープと校舎との連携、子供が入れる浅いせせらぎを、中庭で本がよめるような図書室

E班「先生の居場所〜先生のモチベーションが高くなるような環境を〜」
→職員室をなくし、教室に先生の仕事の効率があがるような素敵な家具を設置。小規模校での職員室のあり方

F班「人が移動するしかけ〜建築はすべてを解決できるわけではない。様々な環境に応じて順応に対応できる、人が移動できるしかけや、家具について考える〜」
→廊下と教室の区別をなくす・特別教室を解体、分散し、空間を増やす

■第2回目:プログラムスケジュール

   日:2007年8月3日(木)曇・雨
   時:15:00〜
   会場:丸岡南中学校
   司会進行:事務局(有)PTP 福嶋輝彦

講師:工藤和美氏
東洋大学工学部建築学科教授/シーラカンスK&H株式会社代表取締役/建築家
1960年生まれ。福岡県出身。東京大学大学院博士課程修了 株式会社シーラカンスを創設。
学校教科センター方式建築の先駆けとなった千葉県打瀬小学校他、博多小学校、丸岡南中学校と全国的に注目を浴びる学校建築の設計を行う。現在富山県において、小中連携となる学校建築を建設中。21世紀にふさわしい学校の像を建築という器を通して実現すべく活躍中。

【開会】
●事務局より、本日の予定・配付資料の確認

【1部】
●丸岡南中学校見学

【2部】
●講義「丸岡南中学校の設計・建築について
〜自然環境と建築・室内環境・エコスクール等」
●講義「21世紀の学校を実現するために〜現在の学校建築について/学校改修について」
●ワークショップ「鳴鹿小学校のエコ改修計画について〜6つのテーマ〜」
班毎で議論/班毎で発表

【閉会】
●エコ改修検討会3回目の告知
終了

*エコ改修検討会、第3回目は8月27日に、鳴鹿小学校エコ改修検討会アドバイザーの磯雅人先生を講師でお招きし、耐震について、設備設計士の高間三郎先生をお招きし、エコ改修と設備設計についての勉強会を行う予定です。

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