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第4回目は、福井県内から4名の講師をお招きし、「自然のポテンシャルを活かした技術を学ぶ」というテーマで検討会を行いました。
今回の参加者は、50人(41団体)。坂井市、事務局をあわせると63人。
メイン内容は、
1) 講義「“熱を保存して路面の融雪・凍結抑制”から鳴鹿小学校での空調を考える」
講師:宮本重信氏(福井県雪対策建設技術研究所所長 雪対策技術研究グループ博士(工学)技術士(建築) 総合研究員)
2) 講義「地域林業の再生をめざして」
講師:西川浩一氏(坂井森林組合 参事)
3) 講義「木質ペレットの現状とその利用用途」
講師:山口昌英氏(有限会社JASTY 代表)
4) 講義「鳴鹿小学校の植栽」
講師:福山貢氏(作庭工房 代表)
でした。
1)講義「“熱を保存して路面の融雪・凍結抑制”から鳴鹿小学校での空調を考える」
地熱(主として融雪)研究の第一人者の宮本先生に、「みんな違って、つないで、みんないい」というコンセプトの元、まず始めに宮本先生が研究されてきた融雪等における地熱利用についての技術的な話をしてもらいました。
地中は熱の保存庫(地下水も同様)であると宮本先生は言います。地熱利用は最近ますます注目を浴びてきている技術ですが、地中に杭を打つために穴を掘る際に高額な費用がかかるため(目安:日本はボーリングで2万円/m、ヨーロッパは3,000円/m)、空調でも融雪でも主に新築の際に打つ基礎杭を兼用して地熱システムを導入するのが一般的だそうです。ですが、穴を掘る深さを浅くし、杭をたくさん打つ事によって(1.6m間隔)、地熱を融雪に利用する技術を研究し、今現在は福井大学の駐車場の一部をはじめとして実際に導入されるようになってきたそうです。また、最近では季節間蓄熱と言い、夏に熱をためてそれを冬の融雪に使う等といった新技術も研究開発されています。
次に鳴鹿小学校では地下の資源利用でどのような可能性があるかということについて話をいただきました。鳴鹿小学校は九頭竜川近くに立地しているため、地下が礫層になっていることや、地下に流れる伏流水のために、地熱利用及び季節間蓄熱利用は残念ながら難しく、不向きだということです。代替案として、河川伏流水の二度利用(揚水利用/融雪+空調の一部利用)の可能性と課題についての話もいただきました。
2)講義「地域林業の再生をめざして」
坂井森林組合の参事西川氏による、坂井森林組合の取組と地元の木(間伐材)を有効に使えるシステムづくり(対森林の所有者)についての話をうかがいました。
坂井森林組合は、森林管理等の他にリサイクル事業(木くず処分)も併せて行っています。産業廃棄物として出される木くずをチップにして公園やブルーベリー農園等で有効利用できるシステムを構築しています。
元気な森林(もり)づくりには、間伐の必要性があげられますが、二酸化炭素の吸収率からみても、間伐した森林の方が1〜2割程度二酸化炭素吸収量が多いとされているそうです。
坂井市の民有林の内、61.4%が杉の木だそうで、人工林の面積2,374haの内、間伐できる木は33%にものぼり、鳴鹿小学校のある丸岡町に集中しているとのことで、最近、集製材や合板の売り先が拡がったために、間伐材の利用がしやすくなってきたそうです。そこでより長期的に森林を適正管理し、間伐を行っていくことができるように、境界の保全と、間伐した時の代の所有者のみに一括してお金が入るのではなく、間伐するまでに、所有者の世代を超えて少しづつお金が入るシステムを構築することを目指し、その結果より地元の木を地元で使えるようにしていきたいと抱負を語られました。
3)講義「木質ペレットの現状とその利用用途」
講師の山口氏は、福井県内で木質ペレット及びペレットストーブの普及につとめており、今回はペレットストーブを会場に持ち込んでの講義となりました。
石油の価格が高騰してきている事と、木質ペレットの製造が安定しはじめ、価格が落ち着いてきたことで、今、ペレットストーブの導入にはそれほどコストがかからないということです(100kcal当たりの単価:木質ペレットホワイト9.57円/灯油8.89円)。環境教育・エコスクール、または地域への環境に対する意識の啓蒙活動という観点から、学校でのペレットストーブの導入促進を提案されていました。木質ペレットは、木材のどの部分を使うかで3種類に分類され、それぞれ燃焼力と燃焼灰量が異なってきます。また、木質ペレットは、燃焼材として使うだけでなく、家畜の敷料や保湿剤等にも用いることができるということでした。
ペレットの課題としては、まだ容易に入手できないこと、ペレットの規格化が整備されていないこと、地産地消が絶対条件であること(輸送が増えると厳しい)及びペレット利用機器の普及がまだまだ進んでいないことをあげられました。
ペレットストーブの実機運転は、会場の体育館の中で行いました。参加者の皆さんも学校の先生方も、ペレットストーブを写真や映像で見たことはあっても、実際に運転している所を見たことのある方は少なく、ストーブのまわりに人だかりができ、暖かさや扱い方などを確認していました。
4)講義「鳴鹿小学校の植栽」
作庭工房の福山氏に、今までの作庭実績と鳴鹿小学校での植栽の提案について話をしていただきました。福山氏は日本庭園の作庭家で、岩手の毛越寺庭園や、徳島の文化の森庭園、県内では養浩館の庭園を手がけられています。
ビオトープによる環境教育に力を入れている鳴鹿小学校の植栽を考えるにあたって、福山氏がまず考えられたコンセプトは、周りにある大変に自然に恵まれた環境と鳴鹿小学校が断絶されてしまっている点を残念がられ、「六呂瀬山古墳群(鳴鹿小学校の北側に位置する山々)と一続きになった景観」でした。ビオトープを含めた学校の植栽は、自然や生き物観察などの環境教育という視点はもちろん、美や癒しといった視点も同様に大切であることや、そういった環境が小学校の中にあることでこども達や先生方が、より潤いと快適な学校生活がおくれるのではないかという話でした。
具体的には、公園状になった屋上庭園の提案と、校舎から離れているビオトープを校舎近くに移動させるのではなく、タケヤナギやハンノキ等で緑の道をつくり、校舎の南側も日陰になるような植樹をしたらどうかという提案でした。
また、植栽のポイントとしては、学校の外構部分に、等間隔で一本づつ木を植えるのではなく、ある程度のかたまり(木同士のかたまり、大きい木と下草のかたまり)を不定期に植えることで美しさと木陰等の遊び(隠れ)の場が形成されること、松は手入れが大変なので、あまり手入れをせずに一本で存在感のある木を植えるといいこと、今ある松は移植して一つのかたまりをつくり、冠仕立にすることでいい景観が生まれること、フェンス部分で目隠しをしたい部分には手のかからないおかめ笹などの笹藪がいいのではないか等のアドバイスいただきました。2階のベランダを広くして、屋上庭園と2階(南側)のベランダの植栽そして、1階(南側)の植栽と立体的に行うことはできればグランドから見た景観が美しくなると同時に緑のカーテンの役割も担い、校舎内でより快適に過ごせるのではないかという提案もいただきました。
■第4回目:プログラムスケジュール
日:2007年9月20日(木)晴れ
時:15:00〜
会場:鳴鹿小学校体育館
司会進行:事務局(有)PTP 吉村恵理子
【開会】
●事務局より、本日の予定・配付資料の確認
【講義:テーマ】自然のポテンシャルを活かした技術を学ぶ
●「“熱を保存して路面の融雪・凍結抑制”から鳴鹿小学校での空調を考える」
講師:宮本重信氏
(福井県雪対策建設技術研究所 雪対策技術研究グループ 博士(工学)技術士(建設) 総合研究員)
地下水二度利用融雪、積雪センサ、基礎杭兼用地中熱、潜熱蓄熱材凍結抑制、群杭効果利用季節間蓄熱などを国内最初に実用化。潜熱蓄熱材による橋梁の凍結抑制で土木学会技術開発賞(H10年)受賞。H14-16 NEDO基礎先導研究「技術融合による地中熱融雪システムのコスト縮減と省エネ化の研究開発」6大学1高専との共同研究代表。
●「地域林業の再生をめざして」
講師:西川浩一 (坂井森林組合 参事)
●「木質ペレットの現状とその利用用途」
講師:山口昌英 (有限会社JASTY代表)
●「鳴鹿小学校の植栽」
講師:福山貢 (作庭工房 代表)
東京植木に就職後、吉村元男氏、日本庭園史学者の森蘊(もりおさむ)氏、村岡正氏に執事。環境事業計画研究所を経て、作庭工房を設立(南条)、代表。新梅田シティ(大阪)/世界蘭博覧会会場/中村公園茶庭/養浩館庭園(福井市)/文化の森(徳島県)/紫式部公園(越前市)/毛越寺庭園(岩手県)等を手がける。
【閉会】
●エコ改修検討会5回目の告知
終了
*エコ改修検討会、第5回目は9月27日に、温熱模型実験・省エネルギー建築について勉強会を行う予定です。
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